AI Daily Digest — 2026年11月1日

AI Marketing AIマーケティング・GEO

01

電通デジタルは2026年10月30日、GEOコンサルティングサービスを更新し、「マルチターンカンバセーション分析」の提供を同日から始めると発表した。同社は2025年5月からGEOコンサルティングを提供しており、これまでの分析は主に最初の1プロンプトに対するAIの回答を対象としていた。

新サービスは、国内電通グループの大規模調査データをもとに生成したAIペルソナで、生成AIとの複数回の対話をシミュレーションする。対話の中で変化する利用者のインテントと、AIが推薦するブランド・商品・サービスの変遷を可視化し、予算、用途、悩みといったニーズを抽出して、コンテンツやコミュニケーション施策の立案につなげる。

企業が持つ顧客データや市場データをAIペルソナに反映し、業界や商品の特性を踏まえた分析もできるとしている。発表には、対象となる生成AIサービスの名称、AIペルソナの規模、料金、効果を示す数値は記載されていない。

出典:電通デジタル「AIペルソナ活用でGEO支援を高度化『マルチターンカンバセーション分析』を提供開始」(2026年10月30日)関連報道:PR TIMES掲載の同社リリース(2026年10月30日)

02

Redditは2026年10月29日の第3四半期株主向け書簡で、検索からの流入が第3四半期に大きく減少し、四半期の後半に減少が加速したと明らかにした。10月には、検索流入が週平均で100万件を超えて減少したという。影響が最も大きいのはログアウト状態の利用者とウェブ経由の利用である。

同社は、この減少ペースが続けば、第4四半期の1日あたりアクティブ利用者(DAUq)が現在の約1億3,000万人から2桁台前半の割合で減少し得るとした。第3四半期のDAUqは世界全体で1億3,030万人(前年同期比12%増)だった一方、米国は5,070万人(同2%減)で、米国のログアウト利用者は2,730万人(同4%減)となった。

対応として、ログイン必須の体験への移行を進める方針を示し、第4四半期に米国外の一部市場で本格的なテストを始める。結果は世界向けの最適化版に反映するとしているが、対象市場は明らかにしていない。書簡では、広告ターゲティングの信号、エンゲージメント、データ資産の保護、規制への対応を理由に挙げている。

Search Engine Journalによれば、決算説明会でSteve Huffman CEOは、GoogleのAI OverviewsとAI Modeが減少要因の仮説の中心だと説明し、機械翻訳コンテンツの順位低下も要因に挙げた。各要因の寄与度は示していない。書簡自体にはGoogleやAI Modeの名称はない。第3四半期の売上高は8億9,500万ドル(同53%増)で、業績はなお伸びている。

出典:Reddit「Q3 2026 Shareholder Letter」(2026年10月29日)関連報道:Search Engine Journal(2026年10月30日)

03

Alphabetが2026年10月28日に発表した第3四半期決算で、Google Search & otherの売上高は633億5,000万ドル(前年同期比12%増)だった。Search Engine Journalによれば、増収率は第1四半期が19%、第2四半期が17%で、減速が続いている。

決算説明会でPhilipp Schindler最高事業責任者は、AI Modeのクエリの大幅な増加が「AI Modeでの収益化が低い」ために影響を及ぼしたと述べた。減速の最大の要因は為替で、次いで小売とメディアを挙げている。どの水準と比べて、どの程度低いのかは示していない。

Sundar Pichai CEOは同日の発言で、クエリの前年比の伸びが過去5年で最も高いと述べ、AI Modeのクエリは平均で従来の検索の3倍の長さだと説明した。第三者の書き起こしによれば、Schindler氏はAI Modeのクエリの大半が増分であり、AI Mode内の商品リストではスポンサー枠と自然枠のクリック率が同程度だとも述べた。

Googleは同日、AI Modeの広告を10か国に広げ、米国で追加質問にも広告を出すマルチターン広告を始めると発表した。第4四半期に予定する英国、ブラジル、メキシコを含め、掲載された国に日本はない。

出典:Google Blog AI Mode広告のグローバル展開の発表(2026年10月28日)関連報道:Search Engine Journal「SEO Pulse」(2026年10月30日)関連報道:The Singju Post 決算説明会書き起こし(2026年10月28日)

Today's Insight

AI検索の競争は「1回の回答」から「対話の過程」へ移り、測る単位が問われている

今日の3本は、立場の異なる3社が、同じ変化を別の角度から示している。検索の中心が、一度の質問と一度のクリックから、質問を重ねる対話へ移りつつあることである。

Googleは、AI Modeのクエリが従来の検索の平均3倍の長さになったと説明した。その一方で、AI Modeの収益化は低く、検索の伸びに影響したと認めた。Redditは10月の検索流入が週平均で100万件超減ったと公表し、GoogleのAI機能を仮説の中心に置いた。電通デジタルは、最初の1プロンプトの分析から、対話全体の分析へ支援内容を広げた。

少なくとも両社の説明から読み取れるのは、AI検索の利用の伸びが、広告収益や外部サイトへの流入の伸びにそのまま結びついていないという構図である。対話の中で利用者の要望は形成されていくが、そこでの価値を従来の指標が捉えられていない。

検索回数が増えても流入が増えるとは限らない時代には、対話のどの段階で自社が候補に残るかが、測るべき指標になる。

ただし、この指標はまだ確立していない。電通デジタルの手法はAIペルソナによるシミュレーションで、実際の対話そのものではない。Redditの要因分析も仮説である。Schindler氏の説明にも、収益化の差を示す数値はなかった。各社の発言から読み取れる方向は明確でも、効果の大きさは誰も示していない。

日本企業の実務としては三点を勧めたい。第一に、自社のAI上の可視性を単発の質問だけで測らず、比較、条件指定、予算といった追加質問まで含めて確認すること。第二に、流入の減少をAI回答の影響と順位変動に分けて見ること。第三に、シミュレーションや推計の結果は、実際の問い合わせや販売のデータと突き合わせて使うことである。

AI検索への対応で差がつくのは、新しい指標を早く採用することより、その指標を自社の実データで検証し続けることである。

AI Hot AI業界ニュース

本日は特に重要な更新がないため、お休みです。