AI Daily Digest — 2026年7月12日

本日のAI業界注目ニュースを 8件 厳選してお届けします。

TOP 3

モデル

蚂蚁集团Robbyant、原生具身基盤モデルLingBot-VA 2.0を発表

蚂蚁集团傘下の具身智能チームRobbyantは、LingBot-VA 2.0を発表した。AIHOTの要約によると、同モデルは原生具身基盤モデルとして設計され、因果DiTアーキテクチャを採用する。動画専門部分は約130億パラメータ、推論時の有効化は1トークンあたり約25億パラメータで、総訓練規模は約153億パラメータとされる。多ブロック予測により訓練を2.3倍高速化し、先読み推論で遅延を142ミリ秒/chunkまで下げた。RoboTwin 2.0の50タスクでは、クリーンデータとランダムデモデータの平均成功率がそれぞれ93.8%と93.4%だった。

OpenAI、GPT-5.6系列の医療評価結果を公開

OpenAIはGPT-5.6系列の医療領域評価を公開した。最小構成のGPT-5.6 Lunaは、低い推論強度でも高推論強度のGPT-5.5を上回り、コストは25分の1だったとしている。最大構成のGPT-5.6 Solは新たなベンチマーク水準を示した。評価では、患者向けと臨床向けの幅広いタスクについて、専門医が時間とWebアクセスの制限なしで回答を作成し、別の医師が盲検で評価した。評価軸は正確性、コミュニケーション、完全性、指示遵守、健康意思決定への有用性で、合計2万件の採点が行われた。OpenAIは、全てのGPT-5.6モデルが医師回答を大きく上回ったとしている。

プロダクト

Claude Code v2.1.207、Auto Mode拡大と端末フリーズ修正を追加

Claude Code v2.1.207が公開された。Auto ModeはBedrock、Vertex AI、Foundryで `CLAUDE_CODE_ENABLE_AUTO_MODE` なしに利用できるようになり、`disableAutoMode` 設定で無効化できる。長いリスト、表、段落、コードブロックを含むストリーミング応答で端末が固まったり入力遅延が起きたりする問題が修正された。非対話実行でリモートホスト設定の安全同意が表示されないまま永続記録される問題や、自動更新が `~/.local/bin/claude` の独自起動スクリプトやシンボリックリンクを上書きする問題も修正された。

業界

OpenAI GPT-5.6-Sol搭載エージェントがMatt Shumer氏のMacを消去

AI起業家のMatt Shumer氏は、OpenAIの最新AgentモデルGPT-5.6-Solを使ったローカルエージェントがMac上のデータを消去したと報告した。Full Access権限でファイル整理タスクをsubagentに実行させたところ、shell変数 `$HOME` のパス解釈に失敗し、`rm -rf /Users/mattsdevbox` を実行したという。同じタスクは過去に数百回安全に動いていたとされる。事後にエージェントは事故報告を自動生成し、Shumer氏はAnthropicのFableをより信頼すると述べた。事例は、subagent、長時間実行、shell操作が組み合わさるAIエージェントの実運用リスクを示している。

研究、ボコ・ハラムによる主要AIチャットボット利用を報告

The Decoderは、ケンブリッジ大学CASP研究者Antonia Juelich氏による調査として、ボコ・ハラムがChatGPT、Claude、Gemini、Grok、Meta AI、DeepSeekなどを攻撃計画、爆発装置の製造、武器整備、作戦保全に利用していたと報じた。調査は元構成員27人への57回の聞き取りに基づく。組織内の2派閥はいずれもAI専門部門を持ち、ISISが2023年以降、プロンプトエンジニアリングや脱獄手法の訓練を提供していたとされる。研究は、安全フィルターだけでは悪用を十分に防げない可能性を指摘している。

Claude Fable 5でBunのJavaScriptランタイムをRustへ大規模移植

開発者Jarred Sumner氏は、Claude Fable 5を使い、11日間でBunをZigからRustへ書き換えたと報じられた。64のインスタンスを並列実行し、100万行を超えるコードを生成、API費用は約16万5000ドルだったという。移植の主な理由はZigで頻発するメモリエラーで、Rustのコンパイル時検査により安全性を高める狙いがある。Bun v1.4.0はCanary版として公開され、128件の不具合修正と約2%から5%の速度向上を含む。Bunチームは2025年12月にAnthropicに買収されたとされる。

Bloomberg、Apple対OpenAI訴訟の窃密疑惑を報道

Bloomberg報道を引用したIT之家によると、AppleはOpenAIを相手取った訴訟で、元エンジニアChang Liu氏が返却していないMacBookや内部協力者、ソフトウェア脆弱性を通じてApple社内ネットワークへ継続アクセスしたと主張している。Liu氏が同僚に「まだネットワークストレージへアクセスできる」と伝えたことが重要な証拠として扱われているという。Appleは、OpenAIがiPhone製品開発体制を複製しようとし、違法に取得した営業秘密を利用したと主張している。OpenAIには、前Apple幹部や現OpenAIハードウェア責任者Tang Tan氏を含め、400人超のApple出身者が移ったとも報じられている。

技術

Ghost Font、人間には読めるがAIには読みにくい反AIフォントを提案

Ghost Fontは、人間が読める一方でAIによる認識を難しくすることを狙う反AIフォントのプロトタイプだ。入力した文字から動画片を生成し、文字は背景と同じ点の動きとして表現されるため、単一フレームのスクリーンショットでは情報が見えない。作者によると、Claude FableやGPT Sol 5.6 Ultraなどの前線モデルに動画を渡しても、具体的な技術を説明するまで移動情報を解読できなかった。動画にはモデルを誤誘導するダミーメッセージも含まれる。プロジェクトはSang Mun氏のZXXフォントに着想を得ており、将来は動画生成コードの公開やCAPTCHA、AI視覚ベンチマークへの応用を検討している。