AI Daily Digest — 2026年9月19日

本日のAI業界注目ニュースを 13件 厳選してお届けします。

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NYTなど複数メディア、OpenAIとMicrosoft幹部の社内発言を引用し略式判決を申立て——フェアユース抗弁に疑義

ニューヨーク・タイムズ、Daily Newsグループ、Ziff Davisなど複数のメディア企業が、ニューヨーク連邦地裁にAI学習における著作権侵害を理由とする92ページの略式判決申立てを提出し、OpenAIとMicrosoftに数十億ドルの損害賠償を求めた。これまで未公開だった社内メールや宣誓供述書も引用されている。

NYT著作権訴訟で開封の文書、Microsoft幹部がAI学習を「人類史上最大の労働窃盗」と社内で形容——Copilot経由のクリック数はNYT最大93%減

ニューヨーク・タイムズがMicrosoftとOpenAIを訴えた著作権訴訟で略式判決を申し立て、新たな法廷資料とともに両社の内部資料を開示した。Microsoftのアプライド・サイエンス担当ディレクターBrent Hecht氏は2023年の社内メモで、大規模言語モデルによる労働成果の吸収を「人類史上最大規模の窃盗」と表現していた。Microsoft自身のデータでも、Copilot経由の流入によりニューヨーク・タイムズへのクリック数はBing経由と比べ最大93%減少していたという。

AnthropicとAccenture、フロンティアモデルの「組み込み型」独立評価で提携——両社が今後5年で各10億ドル以上を投資

Anthropicは、フロンティアモデルを対象とした「組み込み型」の独立評価でAccentureと提携すると発表した。Accenture傘下のAI事業部門Facultyが主導し、モデル評価とレッドチーム演習、アライメント評価、安全対策のテストを行う。両社は今後5年間でそれぞれ少なくとも10億ドルを投資する見込み。

技術

開発者がAIコーディングアプリ「ZCode」を逆解析——ログイン後にGit履歴を静かにパッケージ化しAliyun OSSへ暗号化アップロード

開発者のferstar氏が、Z.aiのAIコーディング用デスクトップアプリ「ZCode」を逆解析したところ、ログイン後にワークスペース全体(完全な.git履歴、LFSキャッシュ、reflog、グローバル設定を含む)を静かにパッケージ化し、暗号化した上でAliyun OSSにアップロードしていることが判明した。実測では1回のスナップショットが42,411ファイル・313MBに達し、.gitディレクトリがペイロードの86.6%を占めていたという。

3人チーム、フロンティアモデル活用で3000ドル未満のトークンコストによりOpenAI社員アカウントに侵入

3人チームが7月25日、2件の脆弱性を利用してOpenAI社員のChatGPT/Codexアカウントを乗っ取り、Outlook・Slack・GitHubなど連携サービスにもアクセス可能な状態にした。OpenAI内部のコードリポジトリにPRを提出することで脆弱性を実証し、一連の作業は72時間以内で完了したという。

Trail of Bits、Miden zkVM監査のためAgentにLSP・逆コンパイラ・Lean形式証明をゼロから構築させる

Trail of Bitsは、Miden zkVMを監査する前段階として、Agentに6か月かけてMASM向けのLSPサーバー、逆コンパイラ、静的解析エンジン、Lean形式によるVM実行モデルをゼロから構築させた。これらのツールにより、悪意あるproverがFalcon署名を偽造して資金を盗み取れる重大な脆弱性が発見されたほか、静的解析で400件以上の型検証の欠陥を特定、Leanによる検証作業では機械検証済みの正当性証明95件を生成し、ユニットテストでは見逃されていた細かなバグも2件発見したという。

TypeSafe AI、高頻度の意思決定に特化した大規模モデル「Jev」を発表——分類判断のコスパを著者が実測

TypeSafe AIは、対話や文章生成は行わず判断結果のみを出力する高頻度意思決定特化型モデル「Jev」を発表した。速度は従来の大規模モデルの20〜200倍、コストは100万トークンあたり0.042ドルで出力トークンは無料。著者の実測では、事前選別タスクでJevは精度2位ながら最も安価であり、並列判断タスクでは最高精度かつ最速を記録した。モデルはRLCD学習手法で判断のキャリブレーションを最適化しており、公式サイト(https://typesafe.ai/)で利用資格を申請できる。Vercelが先行導入した。

Gary Marcus、トランプ氏が経済的理由でAIリスクを軽視していると論評——AI幻覚による情報報告が戦争寸前を招いた事例も

Gary Marcus氏は、トランプ氏が経済的な思惑からAIへの懸念を軽視し規制に抵抗しているとするNYTの報道を引用した。またKatie Bo Lillis氏の報道も紹介し、AI支援による情報分析レポートがモデルの幻覚により中国船舶が核兵器部品を輸送していると誤判定し、米軍が緊急に迎撃行動を取る事態となり「あわや戦争寸前だった」と伝えた。